コラム
自動販売機で頑張る蛍光灯の存在
自動販売機とは要するに無人での販売機械です。
省力化、コストダウンを追求しつつ商品を販売するのが目的の機械です。
そのため自動販売機はいかに販売効率をあげるかを追求し、機械自体の機能もデザインや形態も洗練され続けてきました。
かつては単なる長方形の物体でしたが大きさも形状も機能も格段にバリエーションが広がりました。
ガラスの小窓の向こうに並べられて提示されているサンプルも綺麗でリアルになりましたし、それを照らし出す蛍光灯も進化し続けてきました。
より綺麗で明るい光を放つために、屋外に設置されるものも多く、風雨にさらされながら24時間、適度な明度を保ち発揮し続けるのは機械の使用条件としては厳しいものです。
また、明るければ明るいほどいいという単純なものでもなく、過剰に虫などを呼び寄せてもいけないとか、閑静な場所に設置されるならば明るすぎることで周囲の空間の雰囲気を壊すわけにはいかないなどの条件もつきます。
当初から明滅を繰り返すように設定して視認性をあげる仕様もありますが、設置場所に合わせて対応しなければなりません。
もちろん、蛍光灯の調子がおちて不自然な明滅を繰り返すなどもあってはならないことです。
かつてのまだ電機系のインフラが整っていない時代には、人気のない場所や暗い夜道が今よりもはるかに多かったものです。
そんな場所で自動販売機の蛍光灯の明るい光は、小さいながらも灯台のように明るくホッとする存在でした。いまでも少し町並みを外れればまだまだそういう場所もあるでしょう。
そんなところにずっと静かに灯を灯らせて頑張っている自動販売機もまだまだあるはずです。