コラム
自動販売機の夏季商品
夏季商品は通年の営業利益に大きく貢献しています。また同時に夏ならではの事情を裏付けにした特徴的な動きもあります。
まず、空調の効くビル・オフィス内等では自動販売機の売りである冷たい飲み物がかえってつらくなる場合があります。
夏季商品といえる常温飲料。冷えがこたえる女性を中心に夏に需要が高まります。常温対応の自動販売機の設置は潜在ニーズがあったため、コロンブスの卵ながら必然でもありました。
次に、自販機では新商品が目を引きやすいという特性があるはずですが夏季商品では必ずしもその法則が当てはまるとは限りません。
夏一番人気といえるのはなんといっても500mlのペットボトルの水だからです。特に夏のスポーツ施設ではそれが顕著で、場所によっては選択肢がすべて水という自販機までもあり、そうした場所では補充はトラックから水だけをひたすら運ぶということに。
そして、水に限らず、ふたが閉められて水分を携帯できるペットボトルこそ夏の必需品。
ペットボトル展開商品は一般の室内でも夏は特に有力です。最近注目なのはペットボトルタイプのコーヒー。2017年から各社が投入し、新しい流れが出来つつあるのですが、オフィスなどの机で時間をかけて飲む人達から火が付いたこのスタイルは各社の商品も出揃い、今後の定番となる兆しが見え始めています。夏でもコーヒーが売れる時代になるというのは大きな変化でもあります。
更に、夏のペットボトル対応が進むにつれ、自動販売機特有の悩みも発生します。
夏季商品としてペットボトル商品が売れ、しかし冬期はホットの缶商品が売れるとなると、適切な在庫数を投入して売り上げを最大化するためにはハード面での対応が必須となるのです。ペットボトル用の棚を缶商品対応へ随時変更可能であるという自動販売機が開発されるに至っています。