コラム
自動販売機と消費税を巡る注目点
今回の消費税10%への引き上げでは、負担が軽減され8%のまま維持される対象品目があります。
それは外食と酒類を除いた飲食料品と「定期購読契約が締結された週2回以上発行の新聞」です。
自動販売機により行われる販売は、飲食させる役務、つまり外食の提供を行うのでなく、単にこれらを販売するということから軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡に該当します。
自動販売機に係る適用税率を整理すると、飲料メーカー:飲料の売り上げ(軽減税率)、設置者:手数料売り上げ(標準税率)を計上するのが一般的。一方、設置者自ら飲料をメーカーから仕入れて販売する場合には、設置者の売り上げは軽減税率となります。
そして「自動販売機による飲食料品の販売」そのものではなく、それに係る取引については、適用税率についてよく整理する必要があります。
設置者が販売する飲食料品を仕入れる場合については軽減税率の適用対象なのですが、例えば「大量に仕入れを行ったこと」による「値引き」として、取引価格の一部が減額となる場合は「値引き」には、もとの取引に適用された適用税率が適用されることになります(ただ、元の取引が「飲食料品の譲渡」であれば軽減税率の適用対象です)。
設置に当たり、自動販売機を置かせてほしいという依頼があっての場合ではメーカーから設置手数料を受取ることとなりますが、それはスペースの提供や電気代負担、及び故障の場合の連絡等のサービスに対する対価であると見ることができるため、事業として又は事業に付随して対価を得て行われる資産の譲渡等に該当するので、軽減税率適用ではありません。
「販売量が多かった」という理由での金銭も役務の提供の対価としての「手数料」であると見ることができるため軽減税率の適用対象とはならずに標準税率が適用されます。「自動販売機の設置台数を増やしたこと」に対しても同じく標準税率が適用です。