用語集
災害ベンダー
災害ベンダーとは、災害発生時に簡単な操作で内部の商品を無償で提供できるようにした自動販売機のことで、2011年の東日本大震災の発生時にもこの自動販売機を通じて被災地の方や都市部の帰宅困難者に飲み物が提供されています。
災害ベンダーには、内蔵バッテリーによって停電後一定期間稼動して飲み物を提供するバッテリー式ベンダーと、電源がなくても取り出せるワイヤー式ベンダー、ハンドルを手で回して作った電力で飲み物を提供するハンドル式ベンダーなど、様々な機種があります。
バッテリー式ベンダーは、管理者が専用キーでスイッチを切り替えて非常用バッテリーを起動して飲み物を提供する「キースイッチ型」と災害発生時にボタンを押すだけで非常用バッテリーに切り替えられる「押しボタン型」の2種類があります。
このタイプは、何年かに一度内蔵バッテリーの交換が必要となるので、メンテナンス費用がかかるのがデメリットといえます。
ワイヤー式ベンダーは、管理者が自動販売機を非常用のキーで開錠した後に、中にある飲み物の番号がかかれたワイヤーを引くことによって商品を取り出します。
利用するには管理者が所有するキーが必要ですが、構造が比較的簡単で操作しやすく、電源なしで取り出せるのが魅力です。
また、ハンドル式ベンダーは、非常用に取り付けられたハンドルを一定回数手で回して電源をチャージすることによって一時的に自動販売機を稼働させられる仕組みになっています。
2011年の東日本大震災以降、大規模災害発生時の飲料水の確保が課題となりました。
これに対し、多くの地方自治体では、大規模災害時の緊急対応のために、飲料メーカーと災害支援協定を締結し、災害ベンダーの在庫商品の提供を受けるようになりました。
現在では、学校や病院などの公共施設だけでなく、オフィスでも災害時の飲料水備蓄用として災害ベンダーを導入する例が増えています。